💥 62億円という巨額の申告漏れが、あの有名美容クリニックグループで発覚しました。
2025年10月10日、朝日新聞の報道により、全国で100院以上のクリニックを運営する「麻生美容クリニック（ABCグループ）」が、大阪国税局などから62億円という巨額の申告漏れを指摘されていたことが明らかになりました。
AGAスキンクリニックや東京美容外科など、多くの人が名前を聞いたことがあるクリニックを運営する大手グループだけに、「自分が通っているクリニックは大丈夫？」「治療に影響は出ないの？」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、何が起きたのか、なぜこのような事態になったのか、そして利用者への影響はあるのかについて、誰にでもわかるように詳しく解説していきます。
📋 この記事でわかること
🏥 麻生美容クリニック（ABCグループ）とは？どんなグループ？
まず、今回税務調査を受けた「麻生美容クリニック（ABCグループ）」について、基本的な情報を整理しましょう。
ABCグループは、美容医療業界では知る人ぞ知る大手グループです。実は全国に100院以上のクリニックを展開していて、年間売上は200億円を超えるという規模を誇っています。
💼 グループが運営する主なクリニック
このグループが運営しているクリニックの中には、あなたも聞いたことがある名前があるかもしれません。
🔹 AGAスキンクリニック：薄毛治療専門のクリニック。全国60院以上を展開
🔹 東京美容外科：美容整形・美容外科のクリニック
🔹 メンズライフクリニック：男性専門の総合クリニック
🔹 ABCクリニック：包茎治療などを扱うクリニック
🔹 フィラークリニック：注入治療専門のクリニック
これだけの規模で展開しているため、美容医療に興味がある人なら一度は広告を見たことがあるかもしれません。
👨⚕️ グループを率いる麻生泰氏
このグループの統括院長を務めるのが、麻生泰（あそう とおる）氏です。
麻生氏は1972年生まれで、慶應義塾大学医学部大学院で医学博士号を取得した医師です。YouTubeでは「ドクターA」として活動していて、美容医療に関する情報を発信しています。
ABCグループの公式サイトによると、グループ全体で100院以上のクリニックを運営し、グループ総売上は200億円以上とのこと。美容医療業界では屈指の規模を誇るグループと言えます。
それでは、このような大手グループで一体何が起きたのでしょうか？次のセクションで詳しく見ていきます。
💰 62億円申告漏れの内容は？何が起きた？
それでは、今回何が起きたのか、具体的に見ていきましょう。
📊 申告漏れの全体像
朝日新聞の報道によると、ABCグループは大阪国税局などから税務調査を受け、2023年までの5年間で計約62億円の申告漏れを指摘されました。
実はこの62億円という金額、グループの年間売上200億円の約3割に相当する巨額です。東京ドーム約1個分の建設費にも匹敵すると言われる規模の申告漏れなのです。
⚠️ 重要ポイント
62億円は年間売上200億円の約3割に相当する巨額です。
🚨 さらに深刻な「所得隠し」の指摘
申告漏れの中でも特に問題視されているのが、約3億円については「所得隠し」と指摘されたという点です。
ここで「申告漏れ」と「所得隠し」の違いを理解しておきましょう。
📌 申告漏れ：うっかりミスや計算間違いなど、意図的ではない間違いで税金を少なく申告してしまうこと
🔴 所得隠し：わざと所得を少なく見せかけて、税金を減らそうとすること
つまり、62億円のうち約3億円については、「意図的に隠していた」と税務当局が判断したということです。これはかなり深刻な指摘と言えます。
💸 追徴税額は約12億円
申告漏れが指摘されると、追加で税金を納めなければなりません。今回のケースでは、追徴税額は過少申告加算税、重加算税を含めて計約12億円とされています。
この「過少申告加算税」と「重加算税」の違いも押さえておきましょう。
| 種類 | 内容 | 税率 |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | うっかりミスで税金を少なく申告した場合のペナルティ | 10-15% |
| 重加算税 | わざと隠していた場合の重いペナルティ | 35-40% |
重加算税が含まれているということは、「意図的な隠蔽」があったと税務当局が認定したことを意味します。税務専門サイトfreeeによると、重加算税は最も重いペナルティとされています。
🏢 税務調査を受けた法人
今回税務調査を受けたのは、以下の法人です。
- ✔️ 基幹法人「IDEA」（大阪市）
- ✔️ AGAスキンクリニックを運営する札幌市などの3医療法人
- ✔️ メンズライフクリニックを運営する大阪市と那覇市の2医療法人
- ✔️ 東京美容外科を運営する青森市の医療法人
合計で基幹法人1社と医療法人6社、計7法人が対象となりました。
では、なぜこのような大規模な申告漏れが起きてしまったのでしょうか？
🔍 なぜ申告漏れが起きたのか？グループ内取引の仕組み
ここからが少し複雑な部分です。なぜこのような巨額の申告漏れが起きたのでしょうか？
🔄 グループ内取引とは？
報道によると、国税局は「グループ内の取引で仕入れを過大計上している」と判断しました。
これはどういう意味でしょうか？順を追って説明します。
まず、ABCグループの中には基幹法人「IDEA」という会社があります。この会社は以下のような役割を担っています。
📍 IDEAの役割
・クリニックへの経営指導
・医療機器の販売
・グループ全体の資金管理
つまり、IDEAは各クリニックに医療機器などを販売する立場にあるわけです。
💡 仕入れを過大計上するとどうなる？
ここで重要なポイントがあります。
グループ内の取引では、商品の価格を比較的自由に決められます。そして、仕入れ価格が高いと、買った側の利益が減り、払う税金も少なくなるのです。
具体的な例で考えてみましょう。
📌 通常の取引の場合
クリニックAが外部の会社から医療機器を100万円で購入
クリニックAはその機器を使って200万円の売上
利益は100万円で、この利益に対して税金がかかる
🔴 グループ内取引で価格を操作した場合
クリニックAが同じグループのIDEAから医療機器を150万円で購入（実際の価値は100万円）
クリニックAはその機器を使って200万円の売上
利益は50万円になり、払う税金が減る
一方、IDEAは50万円の利益が出るが、全体の税金を最小化するように調整できる
国税局は、このような取引で実際の価値より高く仕入れたように記録していたのではないかと指摘したのです。
❌ なぜこれが問題なのか？
企業が利益を出すために工夫すること自体は悪いことではありません。しかし、実際の価値と大きく異なる価格で取引を記録して、税金を不当に減らすことは認められません。
税務専門サイトfreeeによると、このような行為が「隠蔽・仮装」と判断されると、通常の10-15%の過少申告加算税ではなく、35%の重加算税が課されることになります。
今回のケースでは重加算税が含まれているため、税務当局は単なる計算ミスではなく、意図的な操作があったと判断したことになります。
では、具体的にどのクリニックが対象になったのでしょうか？
🏥 どのクリニックが対象？AGAスキンクリニックや東京美容外科も？
「自分が通っているクリニックは大丈夫？」と気になっている方も多いでしょう。
📋 税務調査を受けたクリニック
報道によると、税務調査を受けたのは以下のクリニックを運営する医療法人です。
実は、これらは美容医療業界では非常に有名なクリニックばかりです。AGAスキンクリニックは特にテレビCMなどでもよく見かけるクリニックですね。
🏢 ABCグループ全体のクリニック
ただし、これらはABCグループが運営するクリニックの一部です。グループ全体では他にも以下のようなクリニックを運営しています。
- ABCクリニック（包茎治療など）
- フィラークリニック（注入治療専門）
- いびきのクリニック
- レディースライフ（オンライン診療）
これらすべてのクリニックが税務調査の対象になったわけではありません。
それでは、最も気になる「利用者への影響」について見ていきましょう。
✅ 利用者への影響は？通っている人は大丈夫？
ここが最も気になるポイントでしょう。「自分が通っているクリニックは大丈夫なの？」という疑問です。
✨ 結論：利用者への影響は基本的にありません ✨
税務調査は「税金の申告が正しかったか」を確認する手続きであり、「医療の質」や「クリニックの運営能力」を問うものではないからです。
🏥 税務調査と医療サービスは別問題
税理士法人辻・本郷の解説によると、医療法人の税務調査は一般的な手続きであり、調査を受けたからといって医療サービスが停止したり、患者への対応が変わったりすることはないとされています。
🔓 クリニックの営業は継続中
実際、今回税務調査を受けたAGAスキンクリニックや東京美容外科、メンズライフクリニックなどは、現在も通常通り営業を継続しています。
各クリニックの公式サイトを見ても、特に営業停止や診療制限などのお知らせは出ていません。予約も通常通り受け付けているようです。
✔️ 修正申告・納税も完了済み
さらに重要なのは、グループ側は既に修正申告と納税を完了しているという点です。
基幹法人のIDEAは取材に対して、「税務調査を受けたことは事実。見解の相違もあったが、当局の指導により修正申告も納税も完了している」とコメントしています。
つまり、税務上の問題はすでに解決されており、今後追加でペナルティが課されたり、事業が制限されたりする可能性は低いと考えられます。
📝 利用者として知っておくべきこと
ただし、今回の件で以下のような点は理解しておく必要があるでしょう。
✓ 医療の質とは別の問題：税務調査を受けたことと、医療の質や安全性は直接関係ありません
✓ 事業継続に問題なし：修正申告・納税が完了しており、クリニックの運営は継続されます
✓ 予約や治療への影響なし：現時点で予約制限や診療内容の変更などは報告されていません
つまり、現在これらのクリニックに通っている方や、これから利用を考えている方にとって、今回の税務調査が直接的に影響を与えることは考えにくいということです。
それでは、グループ側はこの件にどのように対応しているのでしょうか？
💬 「見解の相違」とは？グループの対応は？
報道でよく出てくる「見解の相違」という言葉。これは一体どういう意味なのでしょうか？
🤔 「見解の相違」の意味
基幹法人のIDEAは取材に対して、「見解の相違もあったが、当局の指導により修正申告も納税も完了している」とコメントしています。
この「見解の相違」という表現は、税務調査の報道でよく使われる言葉です。
企業実務オンラインの解説によると、「見解の相違」とは税法の解釈や適用をめぐって、企業側と税務当局の間で意見が分かれることを指します。
つまり、企業側は「これは正しい会計処理だ」と考えていたが、税務当局は「いや、これは認められない」と判断した、という状況を表す言葉なのです。
📢 なぜ「見解の相違」という表現を使うのか？
企業側がこの表現を使う理由は、以下のようなニュアンスを伝えたいからだと考えられます。
「悪意を持って脱税しようとしたわけではない。あくまで税法の解釈が税務当局と異なっていただけだ」
ただし、この表現には批判的な見方もあります。今回のケースでは重加算税が課されているため、単なる解釈の違いではなく、意図的な隠蔽があったと税務当局は判断しています。
✅ グループの現在の対応
重要なのは、IDEAが「修正申告も納税も完了している」と明言していることです。
つまり、以下の対応が既に済んでいるということです。
- 1. 修正申告の提出：正しい税額での申告書を提出し直した
- 2. 追徴税額の納付：約12億円の追徴税額を納付した
- 3. 税務当局との決着：法的な手続きは完了している
これにより、今後さらに追加でペナルティが課されたり、刑事告発されたりする可能性は低いと考えられます。
では、今後このグループはどうなっていくのでしょうか？
🔮 今後どうなる？グループの信頼性と事業継続
最後に、今後の見通しについて考えてみましょう。
✅ 事業継続に問題はない
まず押さえておきたいのは、修正申告と納税が完了している以上、事業継続に法的な問題はないということです。
追徴税額の約12億円は、年間売上200億円超のグループにとって大きな金額ではありますが、事業を継続できないほどの負担ではありません。実際、売上の約6%程度に相当する金額です。
各クリニックも通常通り営業を続けており、医師や看護師などのスタッフも変わらず勤務しています。
📈 今後の税務管理が課題
ただし、今回の件でグループが改善すべき点は明確になりました。
🔧 改善すべきポイント
▶️ グループ内取引の適正化：グループ会社間の取引価格を市場価格に近づける
▶️ 税務管理体制の強化：会計処理が税法に適合しているかをより厳密にチェックする
▶️ コンプライアンス意識の向上：税務だけでなく、全体的なコンプライアンス体制を見直す
これらの改善がしっかり行われるかどうかが、今後のグループの信頼性を左右するでしょう。
🎯 利用者として冷静に判断を
今回の税務調査を受けて、「このグループのクリニックは大丈夫なのか？」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、税務調査と医療の質は別の問題です。
クリニックを選ぶ際には、以下のような点を総合的に判断することが大切です。
- 医療の質：医師の経験や実績、使用する機器や技術
- 安全性：医療事故の有無、衛生管理の状況
- 実績：症例数や患者の満足度
- 価格：他のクリニックと比較して適正な価格か
- アフターケア：治療後のフォロー体制
税務上の問題があったからといって、これらの要素がすべて悪いというわけではありません。逆に、税務が完璧でも医療の質が低いクリニックもあるでしょう。
冷静に情報を集めて、総合的に判断することが重要です。
📝 この記事のまとめ
この記事の重要なポイントを整理します。
✅ 今回の事件のポイント
- ABCグループは全国100院以上を展開する美容医療の大手で、62億円の申告漏れを指摘された
- うち約3億円は所得隠しと認定され、追徴税額は約12億円（過少申告加算税、重加算税含む）
- グループ内取引で仕入れを過大計上していたと判断され、意図的な操作の疑いがある
- AGAスキンクリニック、東京美容外科、メンズライフクリニックなど有名クリニックが対象
- 利用者への影響は基本的になく、各クリニックは通常通り営業を継続している
- グループ側は既に修正申告と納税を完了しており、法的な問題は解決済み
- 税務調査と医療の質は別問題であり、クリニック選びは総合的な判断が必要
今回の麻生美容クリニック（ABCグループ）の税務調査は、大きな金額が注目を集めましたが、利用者への直接的な影響は限定的です。
ただし、税務管理体制の改善や、今後のコンプライアンス意識の向上については、グループの対応を見守る必要があるでしょう。
美容医療を受ける際には、今回のような税務上の問題だけでなく、医療の質、安全性、実績など、様々な要素を総合的に判断して、自分に合ったクリニックを選ぶことが大切です。
💡 よくある質問（FAQ）
Q1. 麻生美容クリニック（ABCグループ）とはどんな組織ですか？
全国に100院以上のクリニックを展開する美容医療グループで、AGAスキンクリニック、東京美容外科、メンズライフクリニックなどを運営しています。年間売上は200億円を超える大手グループです。
Q2. なぜ62億円もの申告漏れが起きたのですか？
グループ内の取引で仕入れを過大計上していたと税務当局が判断しました。グループ会社間で実際の価値より高い価格で取引を記録し、税金を不当に減らしていた疑いがあるとされています。
Q3. 通院している人への影響はありますか？
基本的に影響はありません。税務調査は税金の申告に関する問題であり、医療サービスの質や安全性とは直接関係がないためです。各クリニックは通常通り営業を継続しています。
Q4. どのクリニックが税務調査の対象になりましたか？
基幹法人IDEA、AGAスキンクリニックを運営する3医療法人、メンズライフクリニックを運営する2医療法人、東京美容外科を運営する1医療法人の計7法人が対象となりました。
Q5. 「見解の相違」とは何を意味しますか？
税法の解釈や適用をめぐって、企業側と税務当局の間で意見が分かれることを指します。企業側は「正しい会計処理だった」と主張する一方、税務当局は「認められない」と判断した状況を表します。
Q6. 今後グループの事業はどうなりますか？
修正申告と納税が完了しており、法的な問題は解決済みです。事業継続に問題はなく、各クリニックは通常通り営業を続けています。ただし、税務管理体制の改善が今後の課題となるでしょう。
Q7. 重加算税と過少申告加算税の違いは何ですか？
過少申告加算税はうっかりミスで税金を少なく申告した場合のペナルティ（税率10-15%）で、重加算税はわざと隠していた場合の重いペナルティ（税率35-40%）です。今回は重加算税が含まれています。
Q8. クリニックを選ぶ際に何を重視すべきですか？
医療の質（医師の経験や実績）、安全性（衛生管理の状況）、実績（症例数や患者満足度）、価格（適正な価格設定か）、アフターケア（治療後のフォロー体制）などを総合的に判断することが重要です。
